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No.113

~修学旅行は夜這いのために~おんぷ♪ 

【1】女子校だけど
 鏡に向かっていたら、ママに叱られた。「ほら、楓! 鏡なんか幾ら睨めっこしたって支度はできないのよ。今日も遅刻するつもり?」云われなくても判ってるって。ママったら、失礼しちゃう! 乙女ゴコロってもんをまるで判らないんだから。外出前の鏡チェックは女の子なら必須だよ?

~修学旅行は夜這いのために~
おんぷ♪

 

【1】女子校だけど

 鏡に向かっていたら、ママに叱られた。
「ほら、楓! 鏡なんか幾ら睨めっこしたって支度はできないのよ。今日も遅刻するつもり?」
 云われなくても判ってるって。ママったら、失礼しちゃう! 乙女ゴコロってもんをまるで判らないんだから。
 外出前の鏡チェックは女の子なら必須だよ?
 わたしは鏡の中の女の子を眺めて、ストレートの美しい黒髪に水色のカチューシャをつけた。黒髪との対比で
 より白く見えるけど、決して不健康そうには見えない白い貌(かお)と我ながらクッキリしてると思っている
 輝く眸(ひとみ)、長い黒髪には少しの段も癖もない。
 セーラーのすみれ色のリボンを整えて、わたしは学校に向かう。わたしが通う私立すみれ女学院はうちの前の
 坂を登りきったところにある。入学したばかりの頃は――まだたった8ヶ月前くらいだ、期待に胸を膨らませな
 がら、毎朝、この坂を登っていたものだ。今日こそは彼女ができるかも知れない。
 何と云っても女子校なのだ(わたしはレズビアンなのだ)。
 でも、実際のところは彼女を作るなんて夢のまた夢。異性の話に興じる級友(クラスメイト)に合わせるばかり
 で、自分が女の子を好きだと云うことさえ周囲にはうち明けられないでいた。

          *

 朝のHRで担任であるシスター越智(うちはミッション系なのだ)が話しはじめた。
 シスター越智は美人なのに、相変わらず男のように話す。
「今度の修学旅行だけど、ホテルの調整がうまく行かなかったから、最終日の夜だけ、ふたり部屋に泊まること
になったから。個人的には、高校の修学旅行ごときでホテルのツインに泊まらせるなんて甘やかしすぎだと思う
けど、事情が事情だけに仕方ないだろう。学校もツインに泊まらせるって決めたことだしな」
 かったるいって思っていたけれど、一気に覚醒した!
 え、え~? ふ、た、り、べ、や? それって、ふたりっきりってことだよね?
「ついては明日のHRで班決めをするから」
 シスター越智はまだ話していたけれど、わたしの頭の中は妄想でいっぱいになっていた。
 紅月(こうづき)楓、16年の生涯で最大の好機なんじゃないか? この機を逃してなるものか!
 夜這いだ! 夜這いをしかけるしかない! パッとしなかった女子校ライフを一気にとり戻すんだ。
 わたしは密かに決意した。
 それにつけても、明日の班決めが愉しみだ。わたしは学級(クラス)を見渡した。念願の初えっちの相手に
 なるのはどの娘だろう。可愛ければいいな。
 いちばん美人なのは赤坂玲奈だよな……。でも、大学生の彼氏がいるって云っていたからダメだろうな……。
 ちょっと大人しいけれど、図書委員の睦月螢も美少女だし、好みだな……。
 ああ愉しみだ。膨らむ妄想ににやけそうになるのをなんとか抑えて、わたしはシスター越智に意識を戻した。

 

【2】班決め

 そして、迎えた班決め。わたしはワクワクしながら、クジを引いた。
 緊張の開票。わたしとペアになったのは、ラッキーなことに、昨日夢想した図書の美少女・睦月螢だった。
 無口で化粧っ気もないため目立たないけれど、よく見るとかなりの美少女。全体に色素がうすくて眸(ひとみ)
 とかふしぎな色をしていて印象的だ。華奢で小柄で、やっぱり色素がうすい髪はショートカットで小造りな
 貌(かお)を囲むようにレイヤーがかかっている。肌も抜けるように白い。そのへんの色が白いのとは、較べ
 ものにならない。その白さはドキリとさせられるほどだ。
 こんな美少女が相手なんてそれこそラッキーだ。修学旅行が俄然愉しみになってきた。
 わたしは睦月螢に近づいた。
「同じ班だね。螢ちゃんって呼んでいい?」
 思いきって声をかけると、ボソッと返答があった。
「好きにすれば」
 聞こえるか聞こえないかくらいの声だけど、愛想がないだけで悪意がないと云うことはふしぎとよく判る。
「じゃ、そうする。螢ちゃん、これからよろしくね」
 云うと螢ちゃんは何故だか眩しそうな表情(かお)になった。
「よろしく」
 螢ちゃんの声ってはじめて聞いたけど、可愛い。無愛想でなにも媚びていなくて抑揚も殆どないけれど、その
 ぶん、〈ほんとう〉なんだろうなって信じられと云うか。螢ちゃんって呼ばれることも厭(いや)じゃなくて、
 本気で好きにすればって思ってるんだろうなって信じられる。ってどうでもいいのか?
 修学旅行まで一週間。できるだけ、いっぱい話しかけて、ある程度、ふつうに話せるくらいまでには仲良く
 なっておくんだ! そして、最終日の夜にはきっと夜這いをしかけて、あんなことやそんなことをしちゃうん
 だ! わたしは改めて夜這いの決行を決意した。

          *

「楓、災難だったね。あたしは泉だったからいいけど」
 HRが終わると、ふだんからわたしとつるんでいる葛原藍が寄ってきた。泉もわたしとつるんでいる子だ。
「災難って?」
「班決めよ班決め。楓、よりにもよって〈お人形さん〉と同じ班でしょ?」
「ああ螢ちゃん?」
「〈お人形さん〉って呼ばれてるの、知らないの?」
「知ってる。でも、悪い子じゃなさそうだよ? 可愛いし」
「たしかに文句なく可愛いけど、ありゃ、ちょっと大人しすぎるわ。お通夜みたいな夜になるんじゃない?」
「そうしないために、当日までにできるだけ話しかけて、ふつうに話せるくらいまでには仲良くなっておくんだ」
「ふうん、〈お人形さん〉相手じゃ無理だと思うけど。ま、頑張りな」
 頑張っちゃうもんね! わたしは改めて決意した。

 

【3】前段階

 それからのわたしは、夜這い作戦の前段階として、機会を見つけては螢ちゃんに話しかけた。
 螢ちゃんは相変わらず無愛想だったけど、厭(いや)がってはいないみたいだった。
「あの」
 「血液型は何型?」と云う話をしたあとに、珍しく螢ちゃんから話しかけてきた。
「なに?」
「目当て、決めないの?」
「目当て?」
「先生が云ってた」
 そうか、螢ちゃんはシスター越智を先生って呼ぶんだな。さすがに真面目だ。
 この数日間で判ったことだけど、螢ちゃんとまともに話をするためには、単語でしか話さない螢ちゃんのことば
 を脳内で補完してあげる必要がある。
 わたしはシスター越智が云っていたことを思い起こした。「せっかくの修学旅行だ、ちゃんと班ごとに目当てを
 決めて、修学旅行を実りある有意義なものにするように」とシスター越智はたしかに云っていた。
 でも、たぶん、みんなは聞き流してるはずだ。特に提出しなければならないわけでもないんだし。
 それに本気でとり組もうとする螢ちゃんの純真無垢さにわたしは感動すら覚えていた。話してみて判ったけれど、
 螢ちゃんって今どき珍しいくらいに真面目で純真無垢!
 陰で螢ちゃんのことを〈お人形さん〉って呼んでる子たちは、表面上の大人しさだけを見ているんだろうな。
 こんなにまっすぐだって知ってるのって、きっとわたしだけだ。たしかに無愛想だけど拒絶してるわけでもない
 みたい。そう思ってみれば、ただ美少女ってだけじゃなくて螢ちゃん自体が魅力的に思えてくる。
 修学旅行の夜の夜這い作戦もさることながら、わたしは日に日に螢ちゃんに牽かれてゆく自分を感じずには
 いられなかった。
「云ってたね。せっかくだから決めようか。修学旅行を実りある有意義なものにしちゃおう♪」
 わたしがそう云うと、螢ちゃんはホッとしたように息を吐いた。
「螢ちゃんはなにがいいと思う?」
「なんでも」
「じゃあ、どうなりたいとかってある?」
 訊くと、螢ちゃんはしばらく小首を傾げていたけれど、やがて小さく答えた。
「ふつうに話せるようになりたい」
「ふつうに?」
「紅月さんみたいにみんなと」
「楓でいいよ?」
「か、楓さん」
「同級生なんだから、さんは要らないよ~?」
「か、楓ちゃんみたいに」
 やーん、螢ちゃんってば、超絶、可愛いんだから!
「話すの、厭(いや)じゃないんだ」
「どうすればいいのか判らないだけ」
「そしたら、目当てはそうしない? 『新しい自分になる』。螢ちゃんは友達を作る。そして、友達とはふつうに
話せるようになる」
「無理だと思う」
「なにが?」
「友達」
「螢ちゃん、もう友達いるじゃん!」
 螢ちゃんはふしぎそう。わたしは自分を示してみせた。
「ほら、わたし! わたしたちって友達でしょ? ん? どうかした?」
 螢ちゃんの表情(かお)が変わったのを受けて、わたしは訊いた。
「わたしたちって友達なんだって思ったら、どうすればいいのか判らなくなったの」
「厭(いや)?」
「うれしい」
 キュンとした。
「やーん、螢ちゃんってば、やっぱり超絶、可愛い!」
 思わず抱きしめたら、腕の中で華奢な螢ちゃんがビクッとした。けれど、厭(いや)じゃなかったと見えて、
 ふりほどかれなかった。
 ちょっとはわたしに馴染んでくれたってことかな? 友達になれたんだよね。
 夜這い作戦の決行のときが近づき、わたしは手応えを感じはじめていた。高まっちゃうよ。
 ふたりっきりの夜にはきっと夜這い作戦を成功させるんだ。
 でも、どうやってそう云うことに持ち込んだらいいだろう? 
 修学旅行を目前に控えて、わたしは具体的な作戦を練りはじめていた。

 

【4】修学旅行の夜

 そして、当日がやってきた。
 修学旅行最終日のふたりっきりの夜がついにやってきた。今日まで、できることはやってきたはず。
 螢ちゃんとふつうに話せるくらいまで仲良くなったし、夜這いの具体的な作戦も練った。
 そう云うことに持ち込むところまでの流れだって、脳内には完璧にでき上がっている。
 幾たびも脳内でシュミレーションを重ねた。
 そして、迎えたふたりっきりの夜。ふたりともが寝る体勢になったところで、わたしは練りに練った作戦を
 発動させた。
 まず、螢ちゃんに猥談を持ちかける。
「螢ちゃんって彼氏とかいる?」
 紺の飾り気のないパジャマ姿になった螢ちゃんがブンブンと首を横に振る。
「じゃあ、えっちしたことは?」
 ふたたびブンブンと首を横に振る螢ちゃんに準備してあった質問をぶつけてみる。
「じゃあさ、自分でしたことってある? オナニー」
「ない」
 いきなり踏み込んだことを訊くわたしに螢ちゃんはおどろいたみたいだけど、すぐに短い返答があった。
 想定内だった。わたしは用意してあった科白を口にする。
「それなら、わたしが教えてあげる」
 半ば強引に螢ちゃんの服を脱がせてゆく。
「楓ちゃん、教えてくれなくていい」
 螢ちゃんはおどろいて、わたしの動きを阻もうとする。ここも想定内。やっぱり用意してあった科白をつづけて
 口にする。
「螢ちゃん、目当て、決めたよね? なんだった?」
「『新しい自分になる』」
 これも想定内。わたしは決定打をくり出した。
「螢ちゃん、今がまさに『新しい自分になる』ときだよ」
 生真面目な螢ちゃんはわたしのことばに小さくうなずいて、力を抜いた。
 大人しくなった螢ちゃんを全裸にするのは造作もなかった。パジャマのボタンを外すとあっけなく脱がすことが
 できた。シンプルで実に螢ちゃんらしいブラジャーもあっさり外す。
 上半身が裸になった螢ちゃんをやさしく横たえた。ズボンと白い下着に手をかけて一気に引き下ろすと、
 螢ちゃんは完全に生まれたままの姿になった。
 華奢な体躯は真っ白く美しい。螢ちゃん、なんて、綺麗なの!
 わたしは欲情に火がつくのを感じた。女の子が好きだって、誰にもうち明けられないでいた。
 隠れレズビアンとして、孤独だったこの16年。酬われるときがくるなんて、ほんの一週間前までは想像もして
 いなかった!
 わたしは信じられないって思いながら、全裸の螢ちゃんを眺めた。
 そのまま、わたしも全裸になると、ベッドイン。
 ここでうまく行くとは思っていなかった! でも、本番はここから♪ いただきま~す!
 まず、キスで螢ちゃんのうすい皮膚を辿る。唇を吸い、舌を差し入れて呼吸できなくなるくらいに口中を舐る。
 そのまま首筋に唇を這わせる。螢ちゃんが息を飲んだけれど、かまわず胸にむしゃぶりつく。
 小さいけれどかたち良い乳房は上向きで、もてあそぶのにちょうどいい弾力とハリがある。
 白い肌は肌理(きめ)が細かくて吸いつきたくなる。乳首は綺麗なピンク。それを舌で転がしてやりながら、
 反対の乳房を手でまさぐる。螢ちゃんが喘いだ。
「……っはん……あっ……あっ……やっ」
 湿った声に刺激されて、愛撫にもますます熱が入っちゃう。
 いよいよ、うっすらとした茂みに隠された秘所へと手を伸ばす。オマンコはすでにジュクジュクに濡れていた。
 そのままジュクジュクのオマンコに指を入れて、内奥(なか)をかきまわしてやると、ピチャピチャといやらし
 い音がして、螢ちゃんがのけぞった。
「……かっ……えでちゃ……あっ……あっ……ゆるし……あっ……もう、やめっ……あっ……てっ……」
 甘く蕩けた声。でも、ゆるさず、ことばで煽る。
「ここはそんなことは云っていないみたいだよ? 聞こえるよね、いやらしい音。はじめてなのにこんな濡れるな
 んて、螢ちゃんってえっちだね」
 なじられて余計に感じるのか、螢ちゃんが恥ずかしそうに身悶えする。白い肌は今や朱に染まり、もはや誘って
 いるようにしか見えない!
「やっ……い、わない……でっ……あっ……」
「こっちはなんて云うかな、螢ちゃん」
 ことば責めにつづけて、クリトリスへのクンニ責め。
 強すぎる刺激に逃げようとするところをとらえて、勃起したクリトリスを舌でもてあそぶ。
 そうするあいだもオマンコへの指責めはつづけたままなので、いやらしい音と螢ちゃんの身も世もない喘ぎが
 響いている。はじめ、指いっぽんがやっと入るくらいだったヴァージンオマンコは、いつの間に拡がったのか、
 今や指3本をパックリと咥え込んでいる。溢れ出す愛液をなすりつけて指をピストン運動させてやると気持ち
 いいのだろう、オマンコは指を咥え込んだままで、いやらしくヒクつきはじめた。テラテラと卑猥に光っている。
 わたしはもう夢中で螢ちゃんを責め立てる。
 螢ちゃん。わたしはあなたが好き! だから、もっと気持ちよくさせてあげる。
 わたしは螢ちゃんの手をとると、オマンコへと導いた。自分のオマンコを自分で触らせる。
 自分のオマンコを自分でいじくるなんてきっとはじめての螢ちゃんは、はじめは戸惑(とまど)いがちにされる
 ままになっていたけれど、わたしが螢ちゃんの手ごと動かしていたら、わたしの動きに合わせるみたいにして
 少しずつ手淫をはじめた。
「螢ちゃん、それがオーガズムだよ。気持ちいい?」
「楓ちゃ……ん……へんな、ん……な、っちゃう、よっ……」
「なっていいよ、一緒にイこう!」
 わたしもイきそうだった。途中から堪らなくてわたしも自分のをいじっていたのだ。
「あっ……イクっ……ああっ!」
「わたしも……螢ちゃん!」
 なすすべもなく、はじめてのオーガズムに翻弄される螢ちゃんにたっぷりとレズビアン行為を行った。
 そして、わたしたちは同時に果てたのだった。
 からだももちろんだけど、今は螢ちゃん自体が愛おしい。
 こうして夜這い作戦は成功し、螢ちゃんをGETできたのだった……――。

 

(了)

担当作家 おんぷ♪

 

★ノベル【6,000文字】【ランク旬】

 

『お客様のコメント』

●【作家(おんぷ♪)を選ばれた理由】

今回、数名先生方をご紹介いただいて迷ったのですが、

そのなかでもこのプロットに一番乗り気でお返事を頂けたと言いますか、

内容について得意だという大変情熱的なお返事を頂けたことが大きいです。

やはりプロットを気に入っていただける方に書いてもらうのが良いだろうと

思いましたので。

結果として好みの内容を書いて頂くことができ、良かったです。

 

●【作品の内容を考えられたきっかけ】

もともとレズビアン物は好みの内容の一つでして、

そこへ自分の好きなキーワードである無口娘、修学旅行、オナニー指導などと

いったネタを組み合わせたら完成したのが今回のプロットです。

一度はこの手のネタで漫画か小説を読んでみたいと思っておりました。

 

●【作品の好きな点】

やはり物語全体を包む主人公「楓」の一人称によるレズビアンワールドの雰囲気ですね。

女子高における百合世界が味わい深く展開されていて非常に楽しいです。

レズの楓が無口系の螢を口説いて(?)いくあたりなど特に興味深く読ませて頂きました。

エッチシーンも楓の内面描写と共に、ヒロイン螢をねちっこく指や舌で責めていく

描写が素晴らしいです。

 

○担当者コメント

 まるで少女漫画のような始まりで、主人公の楓ちゃんが修学旅行で女の子を

ゲットするお話です。

楓ちゃん、螢ちゃんともに可愛らしく、とてもあま~いお話でした(*^^*)

何よりも、楓ちゃんの明るい、何事にもポジティブな性格が凄くいいですね。

そして、螢ちゃんをゲットするために楓ちゃんがしっかり下準備等も考えている辺り、

彼女の本気が良くわかります…!

そこもちょっと女の子の可愛らしさもあり、キュンキュンしました(*´∀`*)

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