『女戦士たちの受難』
喧騒が彼女を取り巻いている。
アヴィーはわずかに目を開けた。
「うっ……」
あまりのまぶしさに、目の前が真っ白になる。しばしすると視界は回復し、おぼろげながら周囲の様子を確認できるようになった。
コロシアム状の施設の観客席に、隙間もないほど男たちがひしめきあっていた。強烈な照明が彼女に浴びせかけられている。
「いったい、なにが……」
頭が重く、身体がこわばっている。どうやら気を失っていたようで、状況の把握がまったくできなかった。それだけではなく、どうして気絶していたのかさえ覚えていない。
(でも、この状況がただ事でないことはわかるわ。この格好……)
アヴィーは身じろぎした。ギシリ、と縄が歪む。
縄――彼女の身体を拘束している縄だ。それも、ただ拘束しているのではない。彼女の長い足はあられもなく開脚させられ、その姿がよく見えるように、手は上へと上げられている。
「皆様、お待たせいたしました。今宵の主役たちが目を覚ましたようです!」
「ヒュー、待ってましたぁ!」
「!」
男の声と、それに続く歓声がアヴィーの思考を切り裂く。
顔を上げると、驚くほど近くに男が立っていた。中肉中背、黒服姿という特徴のない男だが、古びたマスクで顔を隠している点だけが奇妙だった。
「私は今宵のショーの進行役をつとめます者です。名前は不要、単に『司会』とお呼びください!」
男――司会は大仰に一礼し、そのままこちらを振り返る。
「では、今宵の主役たちの紹介です! まずは……この左の豚から参りましょう」
(左……? うっ)
アヴィーは周囲を見渡し、ようやく気づいた。
囚われているのは、彼女だけではなかった。左右に、同じように宙吊りにされた女がふたりいたのだ。おまけに、どちらもアヴィーの顔見知りである。
司会は怯えた表情で周囲を見回している金髪の女を仰ぎ見た。
「この女の名はソフィー! ごらんください、この完璧な肉体。豊満な胸にほどよい肉付きの腿……たまりませんなぁ。とても未亡人、一児の母とは思えません!」
「な……」
あまりに下品な紹介に、金髪の女――ソフィーが動揺の声を上げる。しかし、その声はドッと上がった観客の声によってかき消されてしまった。
「うひょお、マジかよ! 旦那とは週に何回セックスしてるんだよ、毎日かぁ?」
「早く脱げよ!」
「な、なにを……」
さらに下品な野次に、ソフィーの表情が唖然としたものになった。彼女にとっては理解の範囲外の言葉だったのだろう。
司会はソフィーの戸惑いなど意に介さず、次の紹介に移る。
「続きましては、右の豚、クレアです! この『豚』にふさわしい身体つき、マニア向けですかな? これで元冒険者だというのですから……無駄にデカすぎる乳と尻はすでに垂れかけていますねぇ」
「……これは一体、どういうことですか?」
紹介されたクレアは、羞恥に頬を赤らめていたが、まっすぐに前を向いていた。しかし、その毅然さにも容赦なく野次は浴びせかけられていく。
「マニア向けとは言いえて妙だな。ま、俺は嫌いじゃねぇけどな、へへへ……」
「間違いねぇ、あの身体、ガキがいやがるぜ。オスを知ってるメスの身体だよ」
その辱めに、さしものクレアも無言になってしまった。
司会がアヴィーの方を向く。
「そして、最後の豚は、はアヴィーです。この豚はなんと、32歳にして未婚! 嫁き遅れの、いわばオバサンですねぇ。プライドばかり高く、傲慢なので婚期を逃したようです」
「な、なんですって……!」
ドッと上がる下品な笑い声に、アヴィーはカッと声を荒げた。拘束されていなければ、間違いなく司会に飛び掛っていただろう。
「あのババア、すげぇ声で鳴きそうだなぁ」
「そういうツラしてるよな」
「言わせておけば――!」
「まあまあ、みなさん、それは今からのお楽しみですよ」
言い返そうとしたアヴィーをさえぎり、司会がパンパンと手を叩く。
「では、『アレ』をこちらに」
(『アレ』……?)
アヴィーが疑問に思う間もなく、ガラガラと台車の音が響く。
「ヒッ……!」
ソフィーが小さく悲鳴を上げた。
それもそのはず、男が台車に乗せて持って来たのは、三本の張り型だった。
男のペニスを模したそれはグロテスクで、透明な素材で作られている。おまけに双頭――つまり、ふたつの穴に同時に挿入できるようになっているらしかった。中には白い液体が満たされていて、男たちが黙々と設置を進める最中も、不気味に揺れていた。
「ま、まさか……このカタチは。ああ……やめてください、やめてください……」
己の脚の間、股間の真下に設置されていくそれに、クレアが声を震わせて設置係たちを制止する。だが、男は耳を貸さないどころか、耳がついていないかのように表情すら動かさない。
やがて設置を終えると、彼らは無言で去っていった。
「さて……今日は皆様、だいぶお待ちでしたからね。では、早速挿入いたしましょう!」
司会の声に、周囲から下品な歓声が上がる。
「い、いや、やめて、いやぁ! こんなの入らないわ!」
「では、まずはこのうるさい豚から行きましょうか」
「ひぃ、い、いやっ……っぐぅぅぅぅーーーッ!?」
抵抗するソフィーの下着をはぎとり、司会が容赦なく張り型を挿入する。いや、それは『挿入』などという生易しいものではなかった。
女性の腕ほどもあるそれを、まさしくぶちこんだのだ。あまりの巨大さに、ソフィーの桜色の秘部とアナルは、限界まで引き伸ばされている。
いかな歴戦の戦士とはいえ、耐えられなかったのだろう。ソフィーは激しく首を振りながら、悲鳴を上げ続ける。
「あああっ! ひぃぃ……き、きつい! 抜いて、抜いてぇ……!」
「なかなかいい眺めですねぇ?」
司会はソフィーを無視し、観客たちにそう言ってみせたあと、クレアに向き直る。
「では、こちらの豚にも……!」
「ぐっ! ふぐぅっ……!」
一切の手加減なくぶちこまれたそれに、クレアも歯を食いしばる。しかし、ソフィーほどの苦痛は感じていないのか、悲鳴は上げなかった。
しかし、その額に浮かぶ汗から、楽々それを受け入れているわけではないのは見て取れる。アヴィーはごくりとつばを飲んだ。次は……。
「次は、この真ん中の豚……アヴィーに挿入ですねぇ」
司会は言うやいなや、口調の温厚さとは裏腹の乱暴さで、張り型を彼女に突っ込む。
「……!」
あまりの質量に、さしものアヴィーも一瞬目を見開く。内部をぎちぎちに押し広げたソレは、並の女ならそれだけで気絶していただろう巨大さだ。おまけに、前に入っているものに比べればやや小ぶりではあるが、十分に大きい張り型がアナルにも突き刺さっている。
内部で、壁越しにごりごりとこすれあっているのがわかった。彼女とて平気だったわけではないが、動揺した姿を見せたくない一心で笑みを浮かべる。
「こ……これで、終わりじゃないでしょう?」
司会は少しばかり意外そうな声音になる。
「ほう、あなたはお分かりのようですねぇ」
「このコロシアム。観客。そして、司会であるあんた。どう考えても、私たちを見世物にしてるんでしょう。だったら、この程度で終わるわけはないわ」
「フフフ、『この程度』ですか……気が強くてよろしいですな。それに、勘もいい。いや、年の功ですかねぇ?」
司会の挑発には乗らず、アヴィーは睨み返すだけにとどめた。
「さあ、観客の皆様にもご説明させていただきましょう! 今宵の趣向は、この『魔具』を使ったショーです!」
司会はアヴィーたちに突き刺さっている、ある種の禍々しささえ感じさせる張り型を指し示す。
「この魔具は、雌の絶頂を感知して中身を噴き出す仕組みになっています。では、この中身とはなにか?……ペニスから出てくるものといえば、相場が決まっています。そう、ザーメンです!」
観客から下卑た笑いが上がった。
司会は動揺する三人を満足げに――仮面に隠れて表情は見えなかったが、確かに満足げな様子が伺えた――眺める。
「無論、ただのザーメンではありません。観客の皆様方、そのあたりをうろついていた浮浪者、果てはオークのものまで混じっています。つまり、この張り型によって絶頂すると、中身が噴き出して誰のものとも知れない男の子を孕むことになるかもしれない……というわけです」
「そ、そんな……そんな! どうしてこんなひどいことを!」
ソフィーの悲痛な声に、司会は特に理由などないとでも言いたげに肩をすくめるだけだ。
見かねたのか、クレアも口を開く。
「……こんなことはやめるべきです。なんの益もないでしょう?」
「おやおや、なんの益もない、とは聞き捨てなりませんな、クレアさん」
司会が小ばかにしたように続ける。
「もちろん、莫大な益があるからやっているのですよ。この観客をごらんなさい、彼らはみなお客様なのですよ」
「狂ってるわ……」
クレアがうなだれる。
司会は思い出したように観客たちを振り返った。
「そうそう、この魔具にはもうひとつ魔法の仕掛けがほどこしてありましてね。子種が着床した場合――つまり、妊娠に成功した場合、母乳を噴出させるようになっています。やはり視覚的にわかりやすい方が、盛り上がりますからねぇ」
「すげぇ! そいつは興奮するな……!」
「ひょお、マジかよ、何人孕むか賭けようぜ」
ドッと歓声があがる。
「ふん、ずいぶん悪趣味ね」
アヴィーは表情を変えていない。
「でもおあいにくさま、要するに達しなければいいだけだわ。簡単じゃない」
「そうですねぇ、耐えられればもちろん、張り型からザーメンは出ませんねぇ」
「いいわ、ショーとやらをやってみなさいよ。その代わり、耐え切れたら開放しなさい」
司会は少し考えてから、答えた。
「そうですね……、ではこうしましょう。三十分耐えていただきます。その間に絶頂に至らなければ、開放をお約束しましょう」
「ふん、開放されたら覚えていることね」
たった三十分。思いのほか短い時間だ。アヴィーはちらりとほかの二人を振り返った。
二人は不安そうな顔をしていたが、先ほどよりは落ち着いている。どうやら、アヴィーと同じことを考えているらしい。
司会が観客たちを振り仰ぐ。
「では、本格的なショーへと移りましょう!」
「うぐぅぅぅっ! あ、ああっ! ロティオン……!」
司会の合図とともに、魔具がゆっくりと動き出す。その機械的なおぞましい動きに悲鳴を上げたのは、ソフィーだった。
彼女の秘部は痛々しく引き伸ばされている。その表情からも、快楽を感じている様子はない。彼女が受け入れるには、魔具はあまりにも大きすぎたようだ。
「おやおや、これはなんともきつそうですなぁ」
脂汗を浮かべてもだえるソフィーの顔をのぞきこみ、続いて股間をじっくりと眺め、司会が首を振る。
「ふぅむ、見れば見るほど生娘のようなまんこだ。とても経産婦のものとは思えません。巨大な魔具を中に収めているのも苦痛というご様子……これは、絶頂に至らないかもしれませんな。いやはや、ソフィーさんには少々慣れてもらう必要がありそうですねぇ」
「ふぅぅ……ふぅぅぅーーー……」
涙目で荒く息をつくソフィー。観客たちがざわめく。
「おいおい、マジかよぉ。俺は痛がる女じゃ興奮しねーんだよな」
「いやー、今からだろ? ガキがいるんだからさぁ、すぐに慣れるよ」
「おやぁ?」
不意に司会がクレアへと視線を向ける。
それに気づいた観客たちのざわめきの質も、変わった。
「へへ……おい、あの女――クレアを見てみろよ。すげぇ」
「あっ、あっ……あぁ、くぅっ! ん、ふぅ……くぅぅんっ……!」
クレアのなまめかしい吐息が、いかな魔法によってか会場に響き渡る。
常識はずれの大きさの魔具を受け入れているそこは、ソフィー同様、ぎりぎりまで引き伸ばされている。しかしソフィーと違うのは、それでもクレアの秘部は柔軟に魔具を受け入れ、その上大量の愛液を滴らせはじめているところだった。
彼女はその端整な顔をゆがめて必死に声を我慢しているらしかったが、抑えきれずに切れ切れに漏れてしまっている。
「ひぃ、んぐぅっ……ふぅぅぅっ……! はぁーっ……はぁーっ……おぅっ! ち、違う……違います、こ、これは……」
「なにが違うんですかねぇ? こんなに濡らして……おやおや、これは腸液ですか?」
アナルからも垂れる液体を目ざとく見つけ、司会があきれたように肩をすくめる。
「こちらも使い慣れていると見えますな。行方不明の旦那さんと、ずいぶんアブノーマルなプレイをなさっていたようですね」
「くっ、うぅ……はぁ、あっ! や、やめて、あの人のことを言わないで……おふぅっ、ん、んんっ……!」
「ク、クレアさん……」
ソフィーが不安げにクレアを見る。追い詰められたこの状況に、仲間意識が芽生えているのか、彼女は励ますように続けた。
「が、がんばりましょう。三十分です。三十分耐えれば……!」
「あぁ、あっ……は、はい、が、がんばります……お、ぉっ! くひっ、ひっ……」
クレアがうなずく。しかし、うなずきながらも快楽にとろけ、尻をもじもじと動かしてさえいた。
その様子は滑稽というほかなく、観客席からも嘲笑が起こる。
司会はアヴィーに顔を向けた。
「さて、アヴィーさんは……おやおや、耐えていらっしゃる」
「……」
アヴィーは黙っていた。
彼女はその美貌に汗を浮かべながらも、表情も変えず、声もあげていない。実際のところ、ソフィーほどの苦痛も感じておらず、また、クレアほどの快楽も感じていない状況と言えよう。
しかし、苦痛が次第に溶け去って、挿入部がじわじわと熱くなるのを自覚していた。このままではまずいのはあきらかだ。
それはわかっていたが、アヴィーは平然と司会を挑発した。
「ふん、たったこれだけ? 本当に三十分でよかったのかしらね。余裕すぎるぐらいよ」
「おやおや、余裕ですなぁ。ならば次の段階へ移っても構わないと?」
「次の段階……?」
「賢いあなたならおわかりでしょう? こんな手ぬるい責めで終わりのはずがない。なにしろこれはショーなのです。こんなものでお客様たちが満足できますか? フフフ……」
司会はぱちりと指を鳴らした。
「さあ、これが次の段階です!
「あうっ……!」
「はぐぅ! おほぉ……っ!?」
「くっ……!?」
三人の悲鳴が――いや、嬌声が上がる。
司会の合図と同時に魔具の動きが変化したのだ。
今まで単調にゆっくりと出入りを繰り返すだけだったものが、突如うねうねと有機的な動きになっていた。
ソフィーまでもが声の調子を変え、そのことに戸惑い動揺していた。
「な、こ、この、動き……ああぁ……っ。はぁっ、はぁっ、ま、まさか、こんな……おかしいわ、ああっ……」
(くっ、まずい……)
アヴィーもまた、唇を噛んでかろうじて喘ぎ声をこらえていた。
魔具は驚くほどの繊細さで、彼女の弱点――すなわち感じる部分を突いてきていた。さきほどまでわずかに感じていた苦痛は完全になくなり、甘い快楽がどんどん湧き上がってくる。
ソフィーもまったく同じ風に感じているのだろう。その頬は上気し、表情のこわばりもなくなっている。
「はぁっ、あっ、ああっ……あっ、あっ、あっ……! ロティオン、助けて、ロティオン……あっ、あっ……ああっ!」
ソフィーの腰がびくびくと痙攣する。魔具に絡みつく愛液のただならぬ量から、彼女の感じている快楽が相当なものだと知れた。
「くくくっ、どうですかな? 気に入っていただけたようですねぇ、ソフィーさん、アヴィーさん」
司会が低く笑う。
「この魔具は雌の弱点を的確に突くよう設計されています。先ほどまでの動きは小手調べ、弱点を調べるためのものです。ほら、気持ちいいでしょう?」
「げ、下種めっ……」
アヴィーの罵倒すら心地いいのか、司会はさらに上機嫌になった。
「これはこれは、口の悪い。ツンデレという奴ですか? オバサンでツンデレは流行りませんよ。ほら……クレアさんのように、素直になったほうがよろしいかと」
アヴィーははっとクレアを振り向いた。
ソフィーの変化に気を奪われて気づいていなかったが、真に問題視すべきなのはクレアの方だったのだ。
「ほぉぉ……おぉっ♥ おぉ♥ おっ、ぐ……! ふぐぅぅぅんっ……!」
最初から感じていた彼女は、ここに至って半ば白目を剥いていた。だらしなく開いた唇からは、唾液とともに舌がだらりと垂れ下がっている。
魔具をくわえこんだ秘部はとろけきり、アヴィーにもすぐにわかるほど貪欲にうねっていた。
「ク……クレア!」
「ひぃぃ! ひぃ……おうぅぅ♥ あ、おぉ……おほっ、おぉぉ……!」
「クレア、耐えて! 耐えるのよ! た、たった三十分じゃないの!」
「おっ、おっ……おォッ! ひぃ、ひぃぃーーー……」
アヴィーの悲鳴じみた声に、クレアはぶるぶると震えて歯を食いしばろうとする。だがその忍耐は滑稽なほどあっさりと崩壊し、表情もすぐにだらしなく歪んだ。
「んおぉ、ほぉおっ♥ こ、こんな、こんな……! ラナ、オーウェンッ……んおぉぉっ……!」
「ちなみに、このラナというのはクレアさんのお子さんですねぇ。オーウェンは行方不明の旦那さんだそうで」
司会の解説に、観客がごくりとつばを飲む。
「たまんねぇな、旦那とガキの名前を呼んで耐えてやがるのかよ」
クレアが必死に耐える姿も、観客たちにとっては興奮をあおる材料のひとつに過ぎないらしかった。
(くっ、私はともかく、クレアとソフィーはもう長く持ちそうにないわ……。今、時間はどのぐらい経ったの……!?)
快楽に朦朧とする頭で、アヴィーは必死に考える。
「おっう! あぐぅぅぅっ!」
「ひっ! あっ、あっ、あっ!」
両脇の二人は、すでによだれを垂らして尻を振っている。強靭な意思で耐えているアヴィーとて、快楽そのものを消せるわけではなく、気を抜けば腰をくねらせそうになってしまう。
内部の張り型が彼女の弱い場所をこすりあげるたび、彼女の思考は少しずつ歪み始めていた。
(ああ……三十分。三十分耐えれば……)
「おぉッ♥ お゛ッ♥ ひぐぅぅぅンッ!」
(クレアとソフィーのことは、諦める必要があるかもしれない……)
「あ゛ッ、あ、あーっ……! も、もうっ……! もうっ……!」
(いえ、諦めなければいけないわ……だってあんなに気持ちよさそう。もうイッてしまいそうだし……ああ……あんな風に、私も楽になりたい……)
「ふぅむ、まだ開始から十分も経過しておりませんねぇ。口ほどにもない、もう降参ですかな」
突然の司会の言葉に、アヴィーは我に返った。
「だ……誰が……はぁー、はぁー……冗談はやめなさい」
「ほう、粘りますなぁ」
「……はぁー……はぁー……」
危なかった。司会が反抗心を煽るようなことを言わなければ、そのまま流されてしまっていたかもしれない。依然状況は悪いが、それでもアヴィーはかろうじて虚勢を取り戻した。
「このぐらいで、この私が屈服するわけがないでしょう。甘く見ないで」
「おやおや、まだまだ手ぬるいとおっしゃる。では、その心意気に答えなければなりませんねぇ」
「……」
司会がスイッチを取り出す。
「なにを――ッおほぉぉぉぉぉぉっ!」
アヴィーが問いただそうとしたのと同時に、司会がスイッチを押した。
途端に、すさまじい快楽が彼女の身を焼く。
「んひぃぃっ! イッ、ぎぃぃぃっ……! こ、こんな、な、なにがっ……!」
張り型が、先ほどまでの弱点をこすりあげる動きに加えて、さらに子宮口を何度も突き上げてきていた。雌の真の弱点とも言うべき場所をドスドスと容赦なくえぐられ、アヴィーの身体が跳ね上がる。
その上、アナルに入った張り型が裏側からも子宮を押し上げていた。複雑にうねる魔具に、頭が真っ白になる。
そのまま意識が飛びそうになったが、それを引き戻したのは、クレアの絶叫だった。
「お゛ぉぉっ! くぉっ♥ おっ、あ゛~っ、あ゛~っ、あ゛~っ! あ゛~~~~っ!」
クレアはいまや、完全に白目を剥いていた。もはや限界が近いのか、大量の愛液と腸液が床に滴っている。いや、滴っているなどというものではなく、実際には張り型が動くたび、ぷしぷしと噴き上がっていた。
クレアだけではない。ソフィーもまた、白目を剥きガクガクと痙攣している。
「お゛ぉぉっ! くぉっ、おっ、あ゛~っ、あ゛~っ、あ゛~っ! お゛ォォォッ♥」
先ほどまでの貞淑な姿は、もうほぼ見られない。ソフィーは完全なる雌と化していた。
(ああ……)
アヴィーは絶望した。
自らもまた、限界が近い。凄惨な戦いの日々を切り抜けてきた精神力をもってしても、声をあげないでいるのが精一杯だった。表情は歪み、勝手に跳ねまわる身体を制御することもできない。
「こっ、こんなの、む、無理、無理ですぅぅっ! 許して、ラナ、ラナァァァッ!」
「ひぃぃっ! やめて、このままされたらイッぢゃうぅぅ!」
クレアとソフィーの切羽詰った悲鳴を聞きながら、アヴィーもまた魔具に屈しようとしていた。
「おいおい、もうかよ。早すぎるだろ……まだ時間は余ってるのによぉ」
(耐え……なければ! 耐えてみせる! あ゛っ、お、ぉ♥ き、気持ちいい、気持ちよすぎるぅっ……)
「それより、すげぇ声だぜ、あいつら。まるで本当に豚みてーじゃねぇか……」
(だ……だめ、耐えるのよ! わ、私は名門バレンタイ、オッ、んおぉぉっ!)
アヴィーの苦悶の表情に、観客たちが爆笑する。
「見ろよ、鼻水垂らしてぶるぶる震えてるぞあのババア!」
「耐えるのももう限界ってツラしてやがる!」
「うう……!」
アヴィーはひときわ派手に痙攣した。魔具の与える快楽に、雌の本能が屈服を叫ぶ。
「だ、だめっ……イクッ……!」
とうとう、彼女の口からも嬌声が漏れた。
「ち、ちがう、わ、私は、お゛ぅぅっ! きも、ちいいっ……きもちいいっきもちいいっ!」
認めてしまうと、止まらなかった。巨大な張り型が子宮口を突き上げるたびに、それだけで並の女なら意識を失うだろう快楽が彼女を襲う。
「おまんこきもちいいっ! もういや、い、イク、いく、これイッちゃう、いやぁっ! イキたくないぃぃ! 妊娠いやぁあああ!」
ついにわけがわからなくなってわめく彼女に、司会が懐中時計を取り出した。
「ふぅむ、まだ十五分程度しか経過しておりませんが。もう、降参ということですかな」
「ぢがう、うぅぅっ! お゛っ♥ おひ、ぃぃぃ!」
首を子供のようにぶんぶん振るアヴィーに、司会が小ばかにしたようなため息をもらす。
「しかし、もう耐えられないのでしょう?」
「た、たえるっ、たえ……お゛うぅぅぅっ! お゛ッ♥ まえとうしろからしきゅうがっ、あ゛っ……!!」
「では、どうしましょうか。特別に、時間を短縮してもいいのですが……」
「……!!」
突然の申し出に、アヴィーの涙にかすんだ瞳が司会を捉える。
「冗談ではなく、本気です。あと五分耐えれば終わりにしてあげても構いませんよ」
司会の言葉が耳に入ったのか、達する寸前だったクレアとソフィーまでもがのろのろと顔を上げるのがわかった。
「ふぅぅっ、うっ、うぅぅぅ~~~~っ……っぐ、うっ……! ご、五分……あと五分、耐えればいいの……!?」
アヴィーの問いかけに、司会は鷹揚にうなずいた。
「ええ、五分。それだけ耐えれば解放してさしあげましょう」
「ああっ……!」
助かった。心底そう思った。あと五分、本当に耐えられるのか、そんなことは問題ではなかった。この責め苦が少しでも早く終わるという安堵しかなかった。
アヴィー同様、クレアとソフィーもがけっぷちの状態には違いないが、やや気力を取り戻している。
「五分……五分耐えるわ! はぁっ、はぁっ……だ、だから、耐え切ったら、もうっ……!」
「わかりました。お約束します。しかし、本当に意思の強い方々ですねぇ。並の女なら、この魔具を挿入されてから三分ともたずに、自分から腰を振ってイキまくっていますよ」
「……はぁーっ、はぁーっ……」
実際、今現在も容赦なく張り型は子宮口を突き、油断すればすぐにでも達してしまいそうだった。
「しかし……五分、耐えられると思ったのですか? 本当に? ククク、確かにあなたがたの意思は強い。しかし、この責め苦を『五分も』耐え抜けるはずがないのですよ!」
次の瞬間。
「ぐひぃぃぃぃぃぃーーーーーーーっ!!」
突如、クレアが絶叫を上げた。
「……ク、クレアッ……!」
アヴィーはわなないた。
突然わめいて激しく痙攣したきり、クレアの肢体がぐったりと力を失う。
その股間に突き刺さった巨大な張り型は、完全に根元まで彼女の中に埋まっていた。白く、わずかにむっちりとたるんだクレアの腹の上から、魔具の形が見える。
「……ッ♥ ……ッッ♥」
口をぱくぱくさせるクレア。
ぶりゅりゅ……と、その秘部から白濁液が溢れ出す。内部で射精が行われ、大量の精液が逆流したらしい。
クレアは絶頂したのだ。やがて、彼女の乳首からはまるで噴水のように母乳が噴出しはじめる。
「ヒッ……! そんな、な、なにが……クレアさんっ……クレアさん!! いやっ……いやああっ……」
ソフィーが声をつまらせる。
がたがたと震える彼女の反応を楽しむように、司会が口を開いた。
「おやおや、クレアさんは赤ちゃんができてしまったようですねぇ」
「な、なにをしたの……いやっ……やめて、やめてぇっ!」
「魔具で子宮をぶちぬいたのですよ。どんな女も、ここを責められては一瞬で堕ちますからね。中には泡を噴いてしまう方もいるぐらいに、すさまじい気持ちよさらしいですよ。私には女性の感覚はわかりかねますがね、クク……」
ソフィーの表情が恐怖に染まる。間髪をいれず、司会が言葉を続けた。
「さあ、次はあなたの番ですよ、ソフィーさん!」
「イヤッ、やめて、やめてぇぇぇぇっ! ひぐぁぁぁぁぁ~~~っ!」
ぼごん!
ソフィーのなめらかな下腹部が、魔具の形に盛り上がる。
普段の可憐さからは想像もつかない野太い絶叫を上げ、ソフィーもまた絶頂した。
「ほおお゛ーーーーっ♥ イグッ♥ イ゛ってるっ♥ ほぉぉーーーーーっ!!」
限界まで広がった秘部から、びちびちと精液が飛び散った。何度も射精が行われているのか、逆流する白濁液が、断続的に腿や床を汚していく。
乳首から噴き出す母乳が、その上を流れ伝った。
「ひょおおっ! ソフィーも妊娠だぜ!」
「見ろよあのツラ、すげぇ」
観客の野次にも、もう彼女は反応を返さなかった。ビクビクと痙攣しながら、意識を失ってしまっている。
「……」
アヴィーはそこでようやく、次に自分がああなるのだと気づいた。
普段の彼女であれば考えられない反応の遅さだ。快楽責めにより、まともな判断力はとうになくなっていた。
「ひぃ」
かすかに漏れ出た悲鳴は、観客の歓声にかき消される。司会が右手を宙に振り上げた。
「さあ、味わってください。この世のものとは思えない快楽をね!」
そして、振り下ろす。
「お゛っぐぅぅぅ~~~~~~っ!」
張り型が、奥の奥、女の聖域をぶち抜く。この世のものとは思えない快楽が彼女の全身を駆け抜けた。ほかの二人同様、彼女の腹も張り型の形をくっきりと浮かび上がらせていた。
突如与えられた衝撃に、彼女の股間からちょろちょろと黄金色の液体が溢れ出す。
「おいおい、漏らしてるぞ!」
「あのプライドの高そうな女が……たまんねぇ」
アヴィーはそのたっぷりとした尻をがくがくと震わせた。小水は止まらず、じょろじょろと音を立てて足元に水溜りを広げている。
しかし、彼女はまだ達していなかった。
恐ろしいほどの意思の力で、耐えていた。子宮に満ちる魔具の亀頭部がこすれるたびに、頭が真っ白になる。涙どころか唾液も鼻水でさえも垂れ流しながら、アヴィーはひたすらにこらえていた。
(にんしんしちゃうっ……! イッたらにんしんしちゃうぅぅぅ~~!!)
「おや……これを耐えますか。あなたには本当に感心させられますね。しかし……」
「お゛っほぉぉぉ~~~~~っ!!」
ぼこん!
ぼこん!
魔具が激しいピストンを開始する。
子宮ごと突き上げ、入り口まで戻る。これだけの単純な動きだったが、ぎりぎりのところで耐えていたアヴィーの意思を崩壊させるのには十分だった。
「お゛ォッ♥ おひっ♥ イグッ♥ イグイグイグッ♥ イグゥゥゥッ♥ まんこいくっ、いっく、イッグゥゥ♥ たしゅけて、あがぢゃんでぎぢゃうぅっ、イ゛ッぢゃうぅぅぅ~~~!!」
あられもない悲鳴がコロシアムに響き渡る。
普段のアヴィーからは考えられない、無様な醜態だった。
「イグッ、アクメくるぅっ!! イグッ! イッぐぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~!!」
ぼごん!
最後の一突きと同時に、アヴィーの思考は完全に停止した。子宮から送り込まれる快楽があまりにも強く、周りの音すらも消え去る。
ぶりゅりゅりゅりゅりゅぅぅぅっ!
内部に叩きつけられるザーメン。執拗に子宮に入り込もうとし、入りきらずに逆流していく。そのすべてが彼女の絶頂をさらなる高みに押し上げていった。
……どのぐらい経ったのだろうか。
気づくと、彼女の秘部からは魔具が抜き去られていた。ぽっかりと開ききったままのそこや、周囲に撒き散らされた精液や小便、なにより、全身を支配するすさまじい倦怠感。
それらが先ほどまでの現実をよみがえらせる。
しかし――。
「あ……妊娠……してない……?」
不意に、彼女はその事実に気づいた。自らの胸を見下ろしても、母乳が出た形跡はない。見間違いかと思い何度も確認したが、汗や精液の飛び散りはあっても、母乳らしきものはなかった。
「……」
(助かったの……? 赤ちゃんは、できなかったの……?)
両脇で気絶しているクレアやソフィーのことを思うと、自分だけが助かってしまったと、罪悪感が胸に兆す。
しかし、紛れもなく彼女は安堵していた。朦朧とする意識の中、アヴィーは泣いた――うれし涙だった。
(助かった……助かったんだわ……!)
しかし、続いて彼女は絶望の悲鳴を上げた。
ザーメンを満たした新たな魔具が、彼女のもとに運ばれてきたからだ。
「ひぃ……ひぃぃぃっ! 許して! いやぁぁぁ……!」
張り型が再び己の秘部にあてがわれるのを、アヴィーはなすすべもなく見守るしかなかった。
――狂乱の宴から、十ヵ月後。
「さあ、今日もおなじみ、アヴィー、クレア、ソフィーの三人の登場です!」
コロシアムには満員の観客が駆けつけていた。なんといっても、今日はこのコロシアムの一番人気の三人の、特別な日だからだ。
開場前からすでに、観客たちは鼻息荒く興奮していた。
興奮を抑え切れなかったのか、すでに数件の喧嘩と、死人が出ている。どの件も最初からなかったかのごとくすみやかに始末がつけられ、一般の観客たちはそんなことがあったとすら気づいていなかった。
コロシアムの中央に、四角く布をめぐらされた巨大な箱が運ばれてくる。大きさは少し広めの部屋ほどもあるだろうか。
「ご覧ください!」
司会の合図と同時に、布がばさりと下に落ち、隠されていたものがあらわになった。
中にあったのは、ベッドが三つ。そしてその上に横たわる形で拘束されているアヴィー、クレア、ソフィーの三人だった。
異様というほかない。
三人はみな、妊娠していた。大きくせり出した腹は、産み月がもう間近なことをうかがわせる。
いや。むしろ『その時』がまさに今なのだと、誰の目にも明らかだろう。額に汗を浮かべ、陣痛に苦しむ様子は、見間違いようもない。
観客がワッと歓声を上げる。
今日ここで行われるのは、三人の出産ショーだった。
はじめての出演から十ヶ月、三人は数々のショーに出演してきた。いや、させられてきた。魔具を使ったものもあれば、何人もの観客を次々と相手にするショーもあった。得体のしれないぬらぬらとした魔法生物に延々と犯されることもあった。
今日はその総仕上げといったところだろう。
クレアとソフィーはすでに諦めているのか、あるいは赤ん坊を産もうとする母親の本能でか、陣痛に耐えるだけで、観客の野次にも特別な反応を示さなかった。
しかし、アヴィーは違う。
「この……外道どもがっ! くっ、うあ、あああ……! い、痛いぃ……ひぃぃ……痛いっ……」
観客から失笑ともつかないざわめきが起こる。
彼女だけは、ついに反抗をやめなかった。魔具や陵辱で屈服させても、それは一時のものであり、次のショーには再び反抗心をみなぎらせていたほどだ。
ソフィーやクレアのように従順ではないが、異色の存在として、ほかの二人に劣らぬ人気があった。
「あ、アヴィーさん……落ち着いて、もうすぐ、う、産まれ……うぅっ……」
興奮するアヴィーを、ソフィーがなだめる。
本来喜ぶべきはずの出産が、こんなにも忌まわしいものになるとは。その皮肉に、観客たちがニヤつく。
今日ばかりは余裕ぶってもいられないのだろう。アヴィーが取り乱し、怯えた顔で首を振る。
「い、いや……もういやぁっ! 間違いよ、こんなのなにかの間違いよ! こ、この私が……っ、ぐぅぅぅっ!!」
痛みに、さしもの彼女も顔を歪めた。
「アヴィーさん、もう少し、もう少しです……赤ちゃんを無事に産まなくては……っ、ああっ!」
クレアがアヴィーの手を握る。
いよいよ、その時がきた。
「あああっ……産まれるっ……! 産まれるぅぅぅぅっ……!」
誰のものともつかない、悲鳴じみた声が響き渡る。
一瞬の静寂ののちに後を追って会場にこだましたのは、元気な赤ん坊の泣き声だった。
「ほぉら、もうおねんねしなさい」
――殺風景な牢獄。
鉄格子と、むき出しの石の床と、窓もない冷たい壁。寝具やテーブル、椅子といった最低限の家具。それだけの部屋だ。
しかし、その部屋の中から聞こえてくるのは、キャッキャと笑う赤ん坊の声と、いかにもやさしげな女の声だった。
牢番がいつものように食事を持っていくと、牢獄に住む女たちのうちの一人が、『しっ』と唇に指を当てる。
「赤ん坊が寝ていますから……」
「わかってるよ」
黒髪の女――クレアが、自らの赤ん坊を抱いて出てくる。母親に似たのか、赤子の髪は黒い。
そして、その肌も黒かった。名前も定かではない父親の姿を受け継いでいるらしかった。
小さな受け渡し口に、牢番が食事の載った盆を置く。ソフィーがそれを受け取って、奥のテーブルに運んでいった。
彼女の背で、彼女と瓜二つの金髪の赤子が眠っていた。
「ちっ、よくもまあ誰のものとも知れない赤ん坊を育てられるな」
「私たちにとっては、かわいい子供ですから……」
牢番のぼやきに、クレアが静かに答える。しかし、その語尾にかかるように、場違いなほど明るい声が響き渡った。
「そうよ。私たちの子供よ。ふふふ、かわいいでしょう」
「アヴィー……」
ソフィーの困惑にも構わず前に進み出たのは、アヴィーだった。
彼女は大事そうに、布のおくるみをかかえている。
「ほらほら、もうおねんねしなさい。ママはご飯を食べなきゃならないのよ」
「……」
おくるみをゆするアヴィーを、複雑な顔で眺めるソフィー。
赤ん坊はまだ眠りたくないのか、笑い声を上げてアヴィーに向かって手を伸ばす――その肌の色は、くすんだ緑色だった。
オークの子だ。
アヴィーが身ごもったのは、オークの子だったのだ。
出産後、その事実に耐えられなかったのか、アヴィーは気が触れてしまっていた。赤ん坊を人間の子として育て、オークの子などと口に出そうものなら、発狂して暴れ、手がつけられなくなる。
腫れ物に触るように、ソフィーがアヴィーの背を押した。
「さあ、食事を採りましょう」
「うん、わかってるわよ。でも、この子が寝るまでついててあげたいの……」
牢番はこの茶番にため息をつき、牢獄に背を向けた。
彼はいつものようにこの陰鬱な仕事をいつやめようか考えながら、その場から立ち去った。